“AIの目”によるイネ収穫量の簡単?迅速推定
“AIの目”によるイネ収穫量の簡単?迅速推定
◆発表のポイント
- AIを用いた画像解析によって、イネの収穫量を簡便に推定可能となった。
- 市販のデジタルカメラやスマートフォンでイネを撮影するだけ。
- 多収品種の開発や、農家圃場の生育診断が一挙に加速すると期待される。
イネは、わが国では言うまでもなく、世界的にみても人口の約半数が主食としている非常に重要な作物です。私達は国際的な研究ネットワークを通じて国内外から大量のイネ画像と収穫量のデータを収集し、AIに学習させました。これにより、野外で生育するイネの収穫期の画像を撮影するだけで、高い精度で面積あたり収穫量(収量)を推定する技術を開発しました。本技術は幅広い品種や環境条件において適用可能なだけでなく、市販のデジタルカメラやスマートフォンのみで、誰でも簡単にイネ収量の推定を可能とした点に最大の特徴があり、いわばイネの収穫量を見極める“AIの目”を実現したと言えます。本研究成果は、国際誌Plant Phenomicsに現地時間6月29日付けでオンライン公開され、7月28日付けで出版予定です。本技術は、これまで時間と労力をかける必要のあったイネの収量調査を大幅に省力化?迅速化することで、育種現場における多収品種の選抜に貢献すると考えられます。加えて農家圃場、特に開発途上地域など、これまで調査困難であった地域のイネ生産量の把握、ひいては最適な栽培法選択や政策立案など、多方面にわたって活用されることが期待されます。
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