Olfactory Display
嗅覚ディスプレイ
図1 二つのファンを用いた
嗅覚ディスプレイ
図2 Smelling screen
嗅覚ディスプレイとは、匂いを提示する装置のことです。映画やゲームのシーンに合わせて匂いを提示して臨場感を高めることや、電子広告と同期して匂いを発生させて新たな宣伝方法を実現することが期待されています。石田研では、画面に映し出された画像中の特定の部分から、匂いが出ているかのようにユーザに感じさせる装置を開発しています。図1の写真に示すように、二つのファンを向かい合わせに配置して気流を生成すると、気流同士が衝突して進行方向が横向きに変わります。気流の進路の先にユーザがいると、気流の衝突点から風が吹いてくるかのようにユーザに感じさせることができます。ファンの後ろに取り付けたチューブから匂い蒸気を放出して、ファンで作り出す気流に乗せて運ぶことで、気流の衝突点の場所から匂いが漂ってくるかのようにユーザに感じさせることができます。左右のファンで生成する気流の強さのバランスを変えることで、気流の衝突点の位置を変更することができます。これにより、匂いの発生源が移動したかのようにユーザに感じさせることができます。ただし、図1に示す装置では、気流の衝突点の位置を横方向にしか移動できませんでした。
そこで、図2に示す装置を新たに開発しました。図1に示す装置にさらに二つのファンを追加し、気流を衝突させる回数を増やすことで、気流の衝突点の位置をモニタ画面上の任意の位置に設定できるようにしました。石田研では、この装置をsmelling screen(匂いを出すスクリーン)と呼んでいます。今後は、匂いだけでなく、風や温熱感等も合わせて再現し、現実に近い感覚を与えることを目指していく予定です。