Biomedical Sensing
新しい生体計測や医療診断技術の創生を目指しています
新しい超音波?テラヘルツ波の画像システムの開発や量子現象を利用した革新的デバイスの創出を通して,非侵襲生体センシング,材料評価,量子技術への貢献を目指しています. 研究テーマは分野横断的,かつ,挑戦的です.好奇心旺盛な学生さんと社会に貢献するテクノロジーを生み出したいと思っています.電気回路やプログラミングが好きな人も大歓迎.
農工大「先生大図鑑 生嶋健司」
超音波は医療診断や工業検査に幅広く使われています.最大の特徴は,目では見えないヒトやコンクリートの中身をそっと外から壊さずに画像化できることです.従来の超音波エコー法では内部にある傷や異物を診断していましたが,私たちは超音波で電気?磁気特性を画像化できる技術を開発しました(音響誘起電磁法:ASEM法).この新技術は,骨?腱?靭帯等の運動器系の変性?劣化,慢性疾患に伴う臓器の線維化および様々な材料における変性や残留応力など,従来の超音波エコー,MRI,CTなどの計測技術では得られなかった画像情報を提供することが期待されます.私たちは,このASEM法を新モダリティとして発展させ,健康寿命を延伸する新しい医療?ヘルスケア機器,アスリートの予防や治癒判断を支援する機器?サービス,および社会インフラの保全や工業製品の品質管理に役立つ検査技術を通して社会貢献しようとしています.
高度な半導体技術を用いて,電子と光の究極の制御に取り組んでいます.ターゲットのひとつは,電波と光の狭間の帯域であるテラヘルツ光です.テラヘルツ光とは周波数1テラヘルツ(1 THz = 10^{12}Hz)帯の電磁波のことです.マイクロ波よりも1000倍程度高い周波数の“超高周波の電波”であり,可視光よりも100倍以上波長の長い“遠赤外光”とも呼ばれています.超高速情報通信からバイオ計測?医療診断まで様々な応用可能性が期待されていますが,従来エレクトロニクスとフォトニクスだけでは十分に対応できていない未開拓領域です.私たちは,半導体量子構造を利用して,テラヘルツ周波数領域における単一光子検出器,光増幅や量子情報制御の基盤技術を開発しています.もうひとつのターゲットは,電子と光のそれぞれのメリットを活かす光電融合情報処理の開発です.固体チップ上において電子や光を高度に制御し,光子回路や光プログラマブル回路など,電子工学や光工学だけでなく,情報科学分野にも変革をもたらすような新機構を探求しています.
医療,食品,重工業分野等の企業様と共同研究?開発を実施し,研究室の知見や技術を各分野に提供する取り組みを行っています.
2023年11月1日 ASEMtech株式会社を設立しました.医療?ヘルスケア分野および工業分野に価値ある検査機器?サービスを提供します.