活動報告

海外フィールド実習 マレーシアプトラ大学 2010年7月11日~24日

 

<学生レポート(島田幸治郎)>
今回のマレーシア実習では、Low Volume Air Samplerの設置を完了し、エアロゾルサンプル採取の 下地を整えてきました。マレーシアの気象局(MMD)の方の 話によると、マレーシアでのエアロゾルの化学成分は分析は 行いたくても、測定技術等の問題もあり分析ができていない現状があるようです。今回、我々の研究で測定を行う、金属、イオン、炭素質エアロゾル、PAHの 通年観測、集中観測の分析データはマレーシアの都市大気で初めての例 (1996年のHaze時期を除く)になるようです。 マレーシアでの生活面においてはパウジ先生をはじめ、パウジ研究室の学生の方々のご支援には 大変、深く感謝をしています。MMDや他の施設での英語を使用した話し合いや交渉等では、大変なサポートを 受けました。また、普段の生活面でも、交通手段や食事等でもお世話になりました。1から10までお世話になったと思います。マレーシアでは、研究も行え、友達も作れ、私の中ではこの2週間は忘れられないものになったと思います。 (2010.7.26 KS) <詳細な報告を読む (Word)>

<教員レポート(尾崎宏和)>
海外フィールド実習は、アジア、アフリカ地域の環境問題の現場を訪問し、その風土を実感しながら生のデータを採取したり、現地の人々と交流しながら環境問題の社会的背景を探ったりする、FOLENSプログラムのコア活動です。異国という不慣れな土地を訪問し、生活することは、FOLENS生の皆さんにとって大きな経験となることと思います。
FOLENSの海外フィールド実習第一号は、マレーシア、プトラ大学(UPM)環境学部環境科学科のMohamad Pauzi Zakaria教授を訪問して7月に行われました。参加学生は、博士課程の島田幸治郎さんです。主な活動はマレーシアにおける大気ダストサンプリングの立ち上げと、UPMおよびクアラルンプール近郊における河川水質測定でした。マレーシアの都市大気における金属、イオン、炭素質エアロゾル、PAHの通年観測、集中観測はほぼ初めてであるようで、今後よい観測データがでることが期待されます。河川水質測定では、やはり、下水処理水や浄化槽処理水の混入地点で水質が良くなかったのですが、電気伝導度は比較的良好な値を示しても懸濁物量が極めて高い場所も多いなど、日本とは異なる水環境の実態を感じました。また、マレーシア気象局(MMD)、マレーシア森林研究所(FRIM)、UPM農場では、現地の自然環境とその観測状況に関して講習を受けることができました。訪問先での挨拶や実習総括のプレゼンテーションなど、英語で何をどう話すのがよいかなどについても、意義のある経験をしてくることができました。惜しまずサポートしてくれた、Pauzi先生や学生の皆さんに感謝しています。
FOLENSプログラムでは、この夏の間(7月~9月)、別のグループとして工学府の3人も谷口紳、下ヶ橋雅樹FOLENS特任准教授とマレーシアを訪れ、環境に配慮した技術のアジアにおける普及や適用の実情を学びました。また、カンボジア、ベトナム、台湾にも4人の学生が各自の指導教員とともに訪問し、それぞれの研究テーマにもとづき現地の環境について知見を深めました。
(2010.7.29 HO)

 

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