大学院 生物システム応用科学府 生態系型生産システム教育研究分野
農学部 地域生態システム学科 土壌生態管理学教育分野
王暁曼 Ou Shuman
中国 China
ダイズシストセンチュウの土壌診断及び効果的な防除法の開発
ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines Ichinohe,Soybean Cyst Nematode 以下SCN )は植物寄生性線虫であり、キタネグサレセンチュウやネコブセンチュウ等の多犯性の植物寄生性線虫と異なり、宿主範囲が狭い。主要な宿主作物としてはダイズ、アズキ、インゲン、ハナマメなどのマメ科作物である。SCNの被害を受けた作物根は、水分、養分の吸収の阻害や根粒菌の着生数減少などの影響を受け、播種二か月後、草丈が短くなる、葉が黄化、萎縮するなどの症状を呈する。
私が研究している防除メカニズムとしては、宿主作物(マメ)が存在しない時期?条件下において、センチュウの孵化促進物質を土壌添加してSCNを孵化させ、餓死に至らせる方法である。この手法で重要なのは孵化促進物質の土壌への添加だが、根から抽出できるグリシノエクレピンAの量は極めて少ないため、実用性が低い。そこで、私はグリシノエクレピンAの代替物を探索している。具体的にはマメ科植物の種子を播種することでグリシノエクレピンAが土壌に分泌されないか調査している。
本研究の目的:
1.Real-time PCR法によるSCNの土壌診断法を確立する
2.孵化促進物質の代替として、いくつかマメ科植物の種を利用し、SCN防除の効果を比較する。その中で効果が良い種子を選んで、栽培期間を変化させ、SCN の防除に適当な条件を見出すことを目的に実験を行う。