大学院 生物システム応用科学府 生態系型生産システム教育研究分野
農学部 地域生態システム学科 土壌生態管理学教育分野
世界の人口が75億人を突破し、今後、ますます人口が増加していきます。増え続ける人口を支えるためには食糧生産の増加が急務であり、地球温暖化、砂漠化、土壌劣化等の地球規模の環境問題を考慮すると、如何に持続的に、低投入でこの緊急課題を克服するかが最重要です。こうした背景から、持続的農業生産システムの確立?向上を究極の目的とし、研究として以下のことに大きな関心を持っています。生産という収奪を必然的に伴う農業において持続的農業を維持するためには、堆厩肥等何らかの有機物を施用することが必要不可欠です。有機物連用土壌を一つのシステムと捉え、土壌微生物、原生動物、土壌動物を含めた(微)生物間相互作用を明らかにし、(微)生物的側面からシステム内の安定性、生産性について考えていくことを計画しています。現在、土壌病害は作物生産に少なからず影響を及ぼしている一方、病気の発生が少ない発病抑止型土壌の存在が知られています。安定した持続的農業を維持するには病害による被害を最小限に抑えることが要求されることから、発病抑止型土壌の抑止機構の解明に取り組みたいと思っています。土壌の有する”すばらしい”機能について、微生物学的、生態学的、環境化学的に明らかにし、持続的生物生産システムを確立する上での碑となる基礎データを蓄積していきたいと考えています。
2.重要視する背景
1)急増する世界人口を支えるための食糧生産の増大
2)膨大な有機性(生物系)廃棄物の処理問題
3)資源の有効利用
4)持続的な土壌利用
5)農薬や重金属に代表される生態系に対するさまざまな環境ストレス
6)地球温暖化ガス(産業活動にも由来するが,土壌微生物の活動によっても発生する)発生量の抑制
3.キーワード
土壌微生物、根圏微生物、土壌、堆肥、有機農業、病害防除、エダマメ、サトウキビ、トマト、サツマイモ、ダイコン、レンコン、ニンジン、拮抗菌、植物内生菌、線虫、病害診断、生物診断、メタン消化液、有機養液栽培、環境ストレス、油汚染の修復、ミミズ、微生物機能 etc