◎ 「女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」の
一環として「臨床実践セミナー」を開催

 9月29日(月)、動物医療センターにおいて、本学獣医学科の松田浩珍教授をプロジェクト・リーダーとして昨年度よりスタートした文部科学省委託事業「出産・育児などで休業した女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」の一環として、「臨床実践セミナー」が開催され、あいにくの雨天にも関わらず、定員を超える多数の参加者があり、会場は満員となりました。
 今回のセミナーは、同プログラムがこれまで行ってきた講演会とは少し趣が異なり、「イヌの肥満細胞腫」という特定の疾患にテーマを絞っての極めて実践的な内容で行われました。

 前半には本学獣医学科の大森啓太郎助教によるレクチャーがあり、治療の成功には早期治療が重要ですが、特に初期治療に失敗すると大変手こずるとされる本腫瘍について、手術前治療から、外科手術、さらには手術後治療まで、すぐにでも実践可能なプロトコルを具体例を示して判りやすく解説しました。
 続いて、(株)ノベルテックの岡本氏より、現場で直ちに利用可能な最新の遺伝子検査情報を紹介いただいた後、参加者からの相談による具体的な症例について、フリー・ディスカッションが実施されました。現場で苦労されている獣医師の方々からは、積極的に質問が出され、それに対し大森助教や本学獣医学科の田中あかね准教授からは具体的かつ実践的な回答がされ、時間をオーバーする中身の大変濃いものとなりました。
 終了後には、今後もこのようなセミナーの継続実施の要望が多数寄せられる等、参加者の関心の高さを伺うことができました。講演会は引き続き定期的に開催し、次回は11月下旬に「小動物のガン(癌)」をテーマにして実施を計画しています。

 なお、本プロジェクトでは、本格的な再教育講座開設に先立って、10月19日(日)〜12月14日(日)までの間6回にわたって試験的に開講することになりました。受講者は極めて限定された人数ですが、次の本格的な体験型の再教育コースにその成果を十二分に反映させたいと考えております。 
 
 
 
※「女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」ホームページ は、こちらから
 
  
←前の記事〉                                              〈次の記事→

477号目次へ戻る