工学府2年小此木(おこのぎ)美智さん アメリカ化学会(高分子部門)で優秀賞

 小此木 美智
工学教育部 生命工学専攻
朝倉研究室 修士2年
 
【アメリカ化学会「Excellence In Graduate Polymer Research」に参加して】
 
 本年、3月26日〜30日、米国ジョージア州アトランタで開催されたアメリカ化学会(ACS)の第231回国際会議に参加する機会を得ました。ACSは、米国に基盤をおく、化学分野の研究を支援する学術専門団体であり、現在の会員数は約158,000人と、化学系学術団体としては世界最大のものです。国際会議は年に2度、春と秋に開催され、231回目を迎える今回の会議の参加者は12,000人以上、発表件数は8,100以上でした。私は今回、本年で2回目となる高分子化学部門の中の「Excellence In Graduate Polymer Research Symposium」と呼ばれるシンポジウムで選ばれてポスター発表をさせていただきました。

 このシンポジウムに参加する大学院生たちはみな、高分子科学分野において優秀な学生であると認められ、表彰されることになっていました。これは非常に光栄な賞です。選考のため、事前に発表要旨、指導教官の推薦状、学科長もしくは研究科長の推薦状を提出し、最終的に一研究科につき一人のみがACS高分子化学部によって選出されます。
 
 今年は計30名の大学院生が表彰されました。液晶高分子、導電性高分子、光学材料、生体高分子など、多種多様な領域に関する研究を行なっている学生が集まりました。私以外は皆、アメリカの大学院に在籍する学生で、始めは不安と緊張感で一杯でしたが、学会会場での和やかで歓迎に満ちたムードにより、最後はとてもリラックスした状態で発表することができました。

 私の発表内容は、シルクタンパク質の強度の源とされている結晶部について、従来、区別の難しいとされる平行と逆平行のシート構造を明確に区別する方法を、安定同位体ラベルモデル化合物と最新の固体NMRの手法を駆使して新たに提案したことで、主に、卒業研究で行った内容でしたが、他のアメリカ博士課程学生の研究内容に混じって、高く評価されました。
 発表セッション以外にも、懇親会の場も設けていただき、軽食をしながら互いの研究生活や将来の夢について語り合うこともできました。異分野の研究者たちとこれほど触れ合える機会をいただけたことを、非常に幸運だと感じています。
 最後に、御推薦をいただいた小関良宏教授と朝倉哲郎教授に深く御礼申し上げます。
   
 
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