2020年度
libellule(リベリューラ)
2020年飛行ロボットコンテスト自動操縦部門出場機。
機体名のLibellule(フランス語でトンボの意)に表されるように、2017年のFarfalla(イタリア語で蝶の意)のひらひらした飛行とは対照 的な高剛性の主翼が実装されている。
また伝統のプッシャー式?大型ウイングレット?ノーズコーンをそのままに、主翼に大きめの後退角 を採用し、かつ主翼とモーターマウントを一体化させることでよりスタイリッシュなデザインとなっている。
制御と機体の優秀なコンビネーションから繰り出される雄大な自動旋回が持ち味。
本番飛行では自動旋回中にテンションが上がってしまい 、力尽きるまで着陸を拒否し続けた。
時間制限を超越した自動旋回を見せつけ、見事2位を獲得した。
Maltese(マルティス)
2020年飛行ロボットコンテスト一般部門出場機。スケール機ながら全ミッションをこなし、2位以下に大差をつけ4連覇を達成した。
第二次世界大戦時のアメリカのレシプロ戦闘機P-51マスタングをモデルとしている。
“優勝できる程度の性能は残して見た目に全振り”と いうコンセプトで作ったため、前年のAlsomitraとは真逆の余計なものを詰め込んだ機体となった。
そのため無人機なのにクリアキャノピー 、引き込まないのに主脚カバー、ラジエーターは無いのにエアインテーク、わざわざ自作してまで大径タイヤを備える。
スケール感のため に胴体後部を短くした影響でピッチ安定が悪く、上記の余計な空気抵抗と相まって滑空ミッションではパイロットを大いに苦しめた。
かっ こいい3Dプリンター製のプロペラスピナーを搭載したのはいいが偏心が直らず、スロットルを50%以上にできないというジレンマ。
せっか くオーバースペックのESCとモーターを搭載しているのに宝の持ち腐れじゃん。
こんなでも大差をつけて優勝している。脚引き込みたかったなぁ。
麒麟(チーリン)
2020年飛行ロボットコンテストマルチコプター部門出場機。
前年のBlack Rockの正当進化系。芸術性を削ることで生産性をあげただけでなく、様々なマイナーチェンジを施し強度、信頼性を向上させている。
積層したCFRP板にスペーサーを挟んだ2層構造の機体は、基本的に接着剤を用いずねじ締結しているため、破損時の部品交換が迅速に行える。
前年と違いパイロットに脳みそが搭載されており、機体の性能を十分に発揮し見事2位に輝いた。
NK-9
後退テーパ翼をもつ複葉機。製作者の「やってみたい」を詰め込んだ機体。
空力的に劣るとされる複葉だが、翼幅の小ささによる高い運動性能と、翼面積の大きさによる低速性能を両立できるという長所がある。
また本機においては、後退角などによる安定性も十分高く、飛ばしやすいのに飛ばしてて楽しい機体となっている。
上翼は取り外し可能であり、単葉機としての飛行も可能であるが、飛行速度がかなり上がるので注意が必要である。
柔軟性に富む主脚もまた特徴の一つであり、流麗なボディがぽよんぽよんと着陸するさまはなんとも愛嬌がある。
追記:ESCの発熱により、内側から融解し退役。
P-40
飛行ロボコン有志による非公式イベント「ミニ飛行ロボコン」への参加決定(直前)を受け、6日間という突貫工事で作られた機体。
競技レギュレーション及び空力性能と、スケール機として譲れないデザイン性という相反する2つがせめぎ合った結果、体育館内でぎりぎり
飛ばせる性能にせざるを得なくなった。
翼面積(揚力、対空性能)と機体サイズ(安定性)を削り、表面のコート、塗装、巨大なタイヤ、クリアキャノピーなどおよそ競技に余計
なものばかりを詰め込んである。
しかしまた、これらの特徴が外で飛ばすときに有利に働くのも事実である。
小さな表面積で横風をかわし、大きなタイヤで不整地を走破し、飛行機らしいフォルムと鮮やかなノーズで航空研の新たな広告機としての 活躍が機体される。
尚、製作期間の短さ故、シャークマウスはスペースだけを残し、描かれる機会を永遠に逸した。
Extra300
入学直後の個人製作1機めとして製作された。全ての翼の寸法はモデルとなった同名のアクロ機のまま、翼型も対称翼という謎のこだわりに 縛られた機体。
もちろん扱いづらい機体となり数えきれないほどの墜落を経験しながらも不死鳥のごとくよみがえり、操縦技術の向上に役立ってくれた(と思われる)。
最期は台風の日に華々しく散っていき退役済み。
Ju-88-A
2020年10月に製作者が卒業直前に自由製作で完成させたスケール機である。
参照した機体の原型はナチス?ドイツ空軍が独ソ戦で運用した第51爆撃航空団第8中隊(8./KG51)の所属機、ユンカース社製JU88-A4である。
空力性能については細かな設計はしていないが、スケール機として、機体の外観再現性に力を入れた。
たくさんのフレームで構成された ガラスキャノピー、主脚の位置やタイヤの大きさ、尾輪のフェンダー、エンジンナセル、両側の形状が異なる排気管、無線アンテナ、銃座
、プロペラスピナー等々細かいディテールを再現できた。
また、機体の塗装はプラモデルの塗装図に従って厳密に施しており、エアブラシとスプレー缶だけを使い、デカールは一切使わないことで、高い塗装面の整合性を実現した。
部隊章のような複雑な模様は、複数回色を分けてマスキング塗装することで実現した。
大皿
E767をモデルとした室内用スケール機。コンセプトは、“とにかく大きく、とにかく軽く”。
位置づけとしてはHerculesの後継。翼幅、全 長ともに1.8mを超える巨大機だが、400gを下回る軽量さでヘリウムなしでの体育館内での飛行が可能である。
軽量化のため、左右の内外エ ルロン、左右のエレベータ、ラダーの計7つの舵と前輪のステアリングを僅か2つのサーボで動かしている。
また直径160mmの胴体は厚さ5mm の外壁によってのみ支えられるモノコック構造であり、主翼、尾翼は中が空洞となっている。
軽量化のため強度は低く、風があると体育館 まで運べないため、屋内機なのに風がある日は飛べない.
ロートドーム?いえ、あれは上翼です。
Twitterで公開した動画が人気を集めた。