研究TOPICS
研究対象は、AI(人工知能)とIoT(Internet of Things/モノのインターネット)の分野です。多種多様なモノ?ヒト?自然を上手につなげるAI/IoTシステムの構築を目指しています。特に注力しているのは、「サイバーフィジカル」の領域です。これはサイバー空間と現実空間を行ったり来たりする仕組みの研究と考えてもらえればいいでしょう。政府が提唱している「Society 5.0」のコンセプトを実現する研究だといえます。
具体的な研究テーマとしては、センシング技術を用いた人間の行動認識·行動支援技術の開発があります。現在は、文具メーカーのコクヨと共同で、実際のオフィスで人間の行動をカメラで記録し、どのような場所とタイミングで偶発的なコミュニケーションが発生するかを検証しています。取得したデータを解析して、よりよいオフィス設計を考えるためのエビデンスとして役立てるつもりです。これはIoTを駆使して、スマートオフィス、スマートホームを実現する研究です。
ほかにもデジタルカメラのイメージセンサを用いた可視光通信、水中IoT技術を使った環境モニタリングなど研究テーマは多岐にわたります。共通しているのは、現実世界のデータを扱うことです。センシングしたデータを分析·加工して、サイバーフィジカルの領域で新たな技術開発に役立てるのがこの研究の面白さです。
もともと私は大学で農学を専攻し、自然環境のモニタリングから情報通信の研究に関心を持つようになりました。そのためAI/IoTを駆使して、さまざまな社会課題を可視化し、解決する方法を提示したいという考えが根底にあります。2023年に入り、AIの進化が加速しています。将来どのような職業に就くにもAIを使いこなすスキルは求められます。ここで企業や行政との共同研究を通じて、将来像をイメージしてほしいと思います。
工学部
知能情報システム工学科
中山 悠 准教授
東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程修了。博士(情報理工学)。NTT勤務後、青山学院大学理工学部助教を経て現職。株式会社Flyby代表取締役。
Student's Voice
工学部 知能情報システム工学科4年
隅野 未宇さん
宮城県立仙台第一高等学校出身
コクヨとの共同研究に参加しています。AIの深層学習を駆使して、オフィスを撮影した画像データから人の行動を分析する技術開発に挑戦中です。大学院に進学し、国際学会で発表するのが目標です!
大学院
工学府知能情報システム工学専攻博士前期課程1年
比嘉 諒人さん
国立沖縄工業高等専門学校出身
光カメラ通信の研究をしています。LEDなど可視光を使った通信技術で、映像コンテンツに人間には見えない信号を埋め込んだりできます。研究室で学んだ画像系の技術を将来の仕事で役立てたいです。
大学院
工学府知能情報システム工学専攻博士前期課程1年
安井 唯華さん
国立お茶の水女子大学附属高等学校出身
水中ドローンと光通信技術を用いた水中センサネットワークを構築しています。LEDなどの可視光を使った通信技術は、従来の超音波通信より低コストで、海中探査などでの応用が期待されています!
※掲載内容は、2023年11月取材時のものです。